ドクターインタビュー

ルネクリニック東京院院長が語る、
再生医療が切り拓く人類の未来

日本の認知症患者数は、2025年には約700万人に到達すると予想されており、
大きな社会問題となっています。
従来の医療では完治できず、対応する手立てもないように思われてきました。
しかし、そんな認知症も、再生医療であれば効果的に治療できる可能性があるのです。

今回は、再生医療を20年以上にわたり研究してきた藤宮峯子院長に、これまでの取り組みの内容と、
これからの再生医療の展望についてお伺いしました。
藤宮院長のお言葉を通して、再生医療の概要や魅力が伝われば幸いです。

参照元:内閣府
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html

ルネクリニック東京院院長プロフィール

藤宮 峯子

藤宮 峯子 Mineko Fujimiya ルネクリニック東京院 院長

1981年に滋賀医科大学の1期生として医学科を卒業したのち、消化器内科医として民間の病院に勤務する。父親を肺がんで亡くしたことをきっかけに、「不治の病や難病の治療法を確立しなくてはならない」と思い立ち、研究医への転身を決意する。その後、糖尿病の研究を通じて再生医療に可能性を見出し、2008年に札幌医科大学解剖学講座教授に就任。現在はルネクリニック東京院の院長として、再生医療による認知症治療の実践と、さらなる研究・開発を続けている。

目次

「私の成すべきこととは何だろう?」と考えたのが、医学研究の道に踏み出したきっかけです

医者になろうと思ったきっかけを教えてください

実を言うと、高校生の頃は宇宙飛行士になりたかったのです。
というのも、中学生の 時にテレビで見たアポロ11号の月面着陸に、それはもう感銘を受けまして。
「宇宙飛行士になるしかない!」と思い、日本の大学へは進まずに、アメリカの大学に留学しNASAに入ろうとしていました。
この頃から、時代の最先端を突き進もうという気概があった、とも言えますね。

ですが、アメリカの高校に入る交換留学生の試験に落ちてしまいまして、その 時に父親から「医学部はどうだ?」と言われて、ようやく医大を目指しはじめました。
それで今度は大学を選ぶわけですが、ここで目に留まったのが、当時新設校だった滋賀医科大学です。
できたばかりの大学だったので、実情はよくわからなかったのですが、「これも一種の挑戦」と思い受験したところ現役で合格し、晴れて1期生となりました。

宇宙飛行士を目指していた 時から抱いていたフロンティア精神は、滋賀医科大学に入学したことでよりいっそう強まったのだと、今にして思います。
大学の1期生として、私自身が道を切り拓き先例を作っていく。
この前向きな姿勢が、再生医療という医学の最前線に立ちつづけるための原動力となっています。

臨床医ではなく、研究医を目指そうと思ったのはなぜでしょうか?

滋賀医科大学を卒業したのちは、消化器内科の臨床医として一般の病院で働いていましたが、その最中に、私の考えを大きく変える出来事が起きました。
それまで、なんの症状もなかった父親に、肺がんが見つかったのです。
父親は当時58歳で、亡くなるなんてまだ先のことと思っていたのですが、がんが見つかって7か月後に亡くなりました。

この父親の死が「私が成すべきことは、がんも含めたあらゆる難病の治療法を研究し、確立することではないだろうか」と考えるきっかけとなりました。

そのまま臨床医として働いたとして、生涯に診ることができる患者さまの数は、多くても数千人から1万人程度です。
しかし、研究によって難病の治療法を確立できれば、最終的には世界中の人々を救うことができます。
また、研究医は医学教育も担当するので、後進の育成という観点でも医学界への貢献につながると思いました。

こうした考えのもと、私は研究医になるべく滋賀医科大学大学院に進学しました。
1987年に博士号を取得したあとは、内科には戻らず、解剖学講座のスタッフとして、研究と教育に徹する道を歩みはじめます。

信じた道を突き進んだ結果、再生医療の根幹に関わるメカニズムを発見することができました

藤宮 峯子

研究医になってからの活動や、研究の内容について教えてください

解剖学講座のスタッフになってから、札幌医科大学を65歳で定年退職するまでの34年間で、3,400人あまりの医学生に解剖学を教えてきました。
その傍らで自身の研究も進めてきたものですから、忙しくもありましたが、非常に充実した生活を送ることができたと思っています。

研究のほうは、当初臓器間の相関関係に着目し進めていましたが、当時の共同研究者が糖尿病を専門としていたので、途中からはそちらに研究の対象を移しました。
40代の頃には、アメリカのヒューストンにあるベイラー医科大学との共同研究を活発に繰り広げ、年に何度も日米を行き来していました。
再生医療に関する基礎研究をはじめたのも、この時期からですね。

共同研究の結果、私は「糖尿病は骨髄細胞の異常が原因である」という事実を発見することができました。
これは私の人生において、もっとも画期的な研究だったと言っても過言ではありません。
それまで、糖尿病は代謝疾患であると考えられてきたのが、大きく覆ったわけですからね。
そこからさらに研究を重ねた結果、「糖尿病のみならず他 の疾患も、異常な骨髄細胞が血液によって全身に運ばれることで引き起こされる」という理論にたどり着きます。
裏を返せば、正常な骨髄細胞を利用すれば、さまざまな病気が治せることを意味します。
以来私は、骨髄細胞を利用した再生医療を確立するべく、骨髄細胞が各臓器に与える影響について研究するようになりました。

そして51歳の 時に、札幌医科大学に教授として採用されます。
札幌医科大学は、骨髄由来の間葉系幹細胞(※1)を利用した脳梗塞の再生医療の研究を行っており、非常に理想的な環境でした。
患者さま自らの骨髄間葉系幹細胞を体外で増やして体に戻すだけで、脳梗塞や脊髄損傷で失われた神経が蘇るのを目の当たりにしました。

「これこそが私の目指していた再生医療だ」
そう確信した私は、骨髄由来の間葉系幹細胞を用いて、糖尿病とその合併症を治療するための研究に、注力しはじめたわけです。

※1 人体が自然に備えている幹細胞。さまざまな細胞に分化できるほか、傷ついた組織の修復も可能とする

札幌医科大学の教授になってからは、活動や研究の内容に変化はあったのでしょうか?

私が大学院生だった頃には、誰もが「30年経てば、がんはなくなるはずだ」という期待を抱いて、研究に心血を注いでいました。
しかし実際には、がんがなくなるどころか増え続け、難病とよばれる類の病気も増え続けているではありませんか。

「これまで世界中で行われていた医学研究は、一体何だったのか……」
私は、心の底から落胆すると同時に「なぜこのような結果になってしまったのか?」と疑問を抱きました。
そして、「現在の医学研究の方法論そのものが、そもそも間違っていたのではないだろうか?」という考えに至りました。

現在の医学研究では、異常をきたした組織の一部を切り取って体の外に取り出し、すりつぶしたうえでタンパク質や遺伝子の発現を調べて病気の原因を調べるのが主流です。
しかし人体は、組織と組織、臓器と臓器が互いに影響を与えながら機能を果たしているうえに、その状態を刻一刻とダイナミックに変化させています。
つまり、現在用いられている研究方法では、人体のありのままの姿を捉えることが到底不可能だったわけです。
それゆえに、がんをはじめ多くの難病を根本から解決することができなかったのだと、私は結論づけました。

その後、どのような手法で再生医療の研究に取り組んだのでしょうか?

私が、人体をありのままに捉えるために行ったのが、電子顕微鏡を用いた研究でした。
異常のある組織だけではなく、その周辺組織まで含めたサンプルを電子顕微鏡で観察することで、本来の姿を明らかにできると考えたのです。

「でも、そのサンプルだって他の研究と同じように、切り取りにしか過ぎないよね?」と思われる方は、アニメ や映画の作り方をイメージしてみてください。
アニメ映像は、静止画を何枚も連続で映すことで、動きを表現していますよね?
それと同じように、連続する電子顕微鏡写真を大量に観察すれば、ダイナミックな動きを捉えることができるのです。

2013年から2018年までの5年間、教授としての業務が非常に忙しいなかでも、3日に1回は電顕室に通い、2万枚にも及ぶ電子顕微鏡写真を撮っていました。
そんな私の様子を、周りは冷ややかな目で見ていましたね。
電子顕微鏡で組織を観察するというのは、40年以上も前の古い研究方法だったからです。
しかし、ありのままの姿を観察することこそが、病気の原因を知る為に重要であると確信していた私は、嬉々として電子顕微鏡での研究を続けました。

そしてとうとう、間葉系幹細胞そのものではなく、間葉系幹細胞から出る「エクソソーム(※2)」こそが、病気の原因であり治療の要でもあるという事実を導き出しました。
今でこそエクソソームは世界的に注目を集めていますが、私はもっと前から、電子顕微鏡を用いた独自の方法で、エクソソームの重要性を認識していたわけですね。
今日、このルネクリニックで実施しているエクソソームを用いた再生医療の源流は、ここから生まれたと言ってもよいでしょう。

※2 細胞が分泌する微小な小胞。細胞と細胞のあいだや体液中に存在しており、細胞間で情報を伝達する役割を担う

高齢化の進む現代社会において、もっとも対応の急がれる課題が認知症だと考えています

研究の対象を認知症へと変えたタイミングと、その理由を教えてください

2017年に、糖尿病の合併症、特に慢性腎臓病を再生医療で治すための研究開発を行うベンチャー企業を立ち上げました。
2022 年に65歳で大学を退職する際に、この企業は社長にお任せし、糖尿病研究と並行して行っていた認知症の再生医療へと完全にシフトしました。

糖尿病を患う方は認知症にもなりやすいため、あわせて研究する必要性があったのがきっかけでした。
そこからさらに「高齢化の進む現代では、認知症を治すことが最重要課題」と考えるに至り、現在は認知症の再生医療に邁進しています。

認知症が問題となるのは、患者さま自身がつらい思いをされるのにくわえ、その方を介護するご家族にも、大きな負担がかかるからです。
精神的、体力的な負担はもちろん、患者さまを施設に入れる際の金銭的な負担も重くのしかかります。
そのような状況が長く続き、さらに認知症の症状が悪化すると、最悪の場合、周囲の方まで病気になってしまうわけです。

そうした状況のなか、藁をもつかむ思いで精神科や神経内科に行って治療を受けるわけですが、そこで処方される薬も、認知症を完治させることはできません。
しかし、それしかないから処方せざるを得ない、というのが認知症治療の現状です。

「介護や福祉の体制を整えてサポートしよう」という方向も大事ですが、
「医者 であれば、福祉に頼る前にまずは治療することを目指すべきではないか」
そう考えるからこそ、私は再生医療を用いた認知症の治療に取り組んでいるのです。

現在携わっている業務の内容についてお聞かせください

ルネクリニック東京院の院長と、ONODERAメディカルの学術アドバイザーを兼任しているので、その両方の業務に携わっています。

ルネクリニックでは、来院された患者さまのカウンセリングや検査を実施しています。
当院にいらっしゃる方々は、再生医療に期待を抱いて来られるわけですから、その期待に応えられるように責任をもってサポートするのが、私の役目です。

ONODERAメディカルの学術アドバイザーとしては、より効果の期待できるエクソソーム製剤などの研究・開発を手がけています。
認知症を含め、これまでは完治しないと考えられてきた病気を治せるように研究するという、これまでの取り組みの延長線上にある業務と言えますね。

また、CPC(細胞培養加工センター)の責任者として、製造管理や品質管理を行い、安全性を確保するのも私の仕事です。
患者さまに安心して治療を受けて 頂けるよう、万全の体制を敷いています。

従来の医療では成し得なかったことを実現する、それが再生医療の未来です

再生医療は、従来の医療とどのように異なるのでしょうか

再生医療は、もともと身体の中に納まっている「間葉系幹細胞」を使って治療を行うという点で、投薬や手術を用いる従来の医療とは、まったく異なります。

もちろん、これまで人類が歩んできた医学の歴史も素晴らしいものではありますし、従来の医薬品で治療できるならそちらを利用します。
しかし、既存の医薬品で治すことができない難病が、数多く存在するわけです。
認知症がその最たる例であり、現在の薬では完治できないというのは、先ほどお話しした通りですね。
再生医療なら、認知症に対しても効果的に治療できる可能性があるのです。

また認知症のみならず、これまでは一度損傷したら再生しないとされていた、神経の修復も実現することができます。
実際、札幌医科大学では、寝返りすら打てないような重度の脊髄損傷を負った患者さまが、再生医療を施した数週間後には歩けるようになり退院された、という事例がありました。
私自身、その一部始終を捉えたビデオを見て感銘を受けたとともに、再生医療のもつ可能性を強く実感しました。
再生医療とは、医療のコンセプトを根底から覆し、新しい次元へと引き上げる革新的な治療法なのです。

今後、再生医療はどのように発展していくべきだとお考えでしょうか?

「病気になってから治療するのではなく、病気にならないように予防する」というのが、再生医療の先にある目指すべき医療の姿だと思います。
そして、これを実現するには、生活環境や心のあり方といった、人々の生き方も変えなくてはならないと私は考えています。

実は、誰もが等しく持っているはずの間葉系幹細胞も、人によっては活性化していない場合があるのです。
この事象について研究を重ねた結果、先に述べたような、日々の生活に関連するさまざまな要因が、間葉系幹細胞の活性化に影響を及ぼしていることが分かりました。
逆に言うと、周囲の環境や生き方を変えれば、その人の持つ間葉系幹細胞が活性化し病気にならずに済む、という可能性を示唆しています。
その実現こそが医療の本質であって、私の医学研究のゴールだと言えます。
そのうえで、自分の力では間葉系幹細胞を活性化できず、病気になってしまった方に対しては、再生医療というかたちで治療を施す。
予防医療とのコンビネーションで、人類を明るい未来へ導くのが再生医療の目指す方向だと思います。

ただし、この未来を実現するには、医療界全体の意識を変えていかなくてはなりません。
なぜなら、再生医療はまだ医療界に十分浸透しているとは言えず、認知症専門の医師であっても、その効果を理解していない方が多いからです。
この現状を改善するには、私をはじめとする再生医療に携わる医者が、使命感をもって着実に、患者さま一人ひとりを治療していくしかないと考えています。
患者さまに再生医療の効果を体感してもらえれば、次第に浸透していくはずですので、これからも率先して再生医療の普及に努めていきたいと思います。

ルネクリニックの今後の展望をお聞かせください

CPC(細胞培養加工センター)が併設されている点が、ルネクリニックの最大のアドバンテージです。
今後は、この点を最大限に活用して、より効果の期待できる再生医療製品を私自身の手で開発していきたいですね。
現在ルネクリニックが提供する認知症の治療で、すでに多くの患者様に効果を実感して 頂いていますが、新しい製品の開発でより一層治療効果を高めて行きたいと思います。

また、当院では間葉系幹細胞の静脈注射による、臓器疾患や血管障害の治療も行っています。
患者さまの脂肪から採取した間葉系幹細胞を増殖させ、それを点滴で戻すのが現在の治療法です。
今後は、採取した間葉系幹細胞の質をCPCで改善するというステップを追加し、治療効果をさらに高めていきたいと考えています。

「不治の病を治療して人類を救いたい」という目標を掲げて、私は今日まで再生医療の研究を続けてきました。
その研究 成果を、今、ルネクリニック東京院の院長という立場で、患者さまに実際の治療として提供しています。

「難病や不治の病の治療を実現しないことには、人生を終えられない」という強い覚悟をもって、私はこれからも再生医療の研究と医療の実践を続けていく所存です。

希望をもって前向きに生きることが、何よりも大事なことです

藤宮 峯子

ルネクリニックへの来院を考えている患者さまや、そのご家族へのメッセージをお願いします

人生を諦めず、希望をもってください。
当院にいらっしゃる患者さまに、私は何度も「絶対に諦めてはだめですよ」とお伝えしています。
認知症も含め、いかなる病気の治療においても重要なのが、心のあり方なのです。

再生医療が優れた治療法であることは間違いありませんが、それでも、患者さま本人やご家族の方が後ろ向きの気持ちを抱えていては、その真価を発揮できません。
希望をもって治療を受けている方ほど、症状が改善する傾向にあります。
もし、ご自身で希望をもつのが難しいのであれば、まずはルネクリニックにいる私のもとへお越しください。
会って直接会話を交わせば、きっと心が楽になりますし、前向きに治療を受けられるようになります。

認知症に悩んでいる時は、いわば、真っ暗なトンネルをさまようのと同じで、どこへ向かって進めばよいのか、皆目見当がついていないわけですね。
そんなトンネルに差す一筋の光が、ルネクリニックの再生医療なのです。
「この先生のもとでなら、認知症が治るかもしれない」という光で先を照らし、患者さまとそのご家族を導き、希望をもって頂く。
この使命を胸に抱いて、私はこれからも患者さまに寄り添っていきたいと思います。

細胞の修復機能にはたらきかける、認知症治療

①治療方法
点鼻により、脳神経に治療薬を届けます。
1週間に1回1mLの投与を、計4回繰り返します。
②副作用リスク
アレルギー反応などを伴う場合がございます。
妊娠中や妊娠の可能性がある方は安全のため施術を受けることができませんので予めご了承ください。
本療法は医療水準として未確立のものであり、効果の点で不確実性を伴います。
想定できないリスクがある可能性があります。
③連絡先
ルネクリニック
東京都千代田区大手町1-1-3 
大手センタービル14階
TEL:03-6810-2295
④費用
本治療は保険適用のない自由診療となります。税込み297,000円程度(診断により変動する可能性があります)
費用詳細はこちら
⑤入手経路
治療薬には、ドナースクリーニングを2回相当実施した日本人の乳歯歯髄・臍帯由来の幹細胞を、特定細胞加工物製造許可施設にて培養・製造したものを用いています。
⑥効能に関する国内の承認機器・薬剤の有無
効能に関する国内の承認薬剤はありません。
⑦安全性に関する諸外国の情報
安全性に関する諸外国の報告はありません。
⑧未承認である旨
この治療で使用される薬剤は医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬です。
⑩未承認薬・機器
未未承認薬・機器には、公的救済制度(医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度)の適用はありません。