認知症の進行に伴う歩き方の変化と対処法を解説
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身近な人の歩き方に関して、速度や歩幅に変化を感じたことはないでしょうか。
実はそれは、認知症の進行を示すサインかもしれません。
認知症を発症すると、初期症状として歩き方に変化が見られます。
歩き方が変わると転倒リスクが高まるため、適切に対処したいところです。
そこで本記事では、認知症の進行によって変化する歩き方や、対処法を解説します。
認知症と歩き方の関係を知りたい方は、最後までご覧ください。
認知症の進行に伴う歩き方の変化
認知症を発症すると、その進行に伴い歩き方に変化が見られます。
歩き方にこれまでと違う様子がうかがえる場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
ここでは、3つの具体例を紹介します。
①速度が低下する
認知症が進行するにつれて、歩行速度が明らかに低下します。
脳の認知機能が衰えることで、歩行に必要な注意力や反応速度が減少するためです。
歩行速度は認知機能の変化を表す指標となっており、軽度認知障害(MCI)と診断される方は、発症のはるか前から遅くなり始めていると研究で示されています。
この速度の低下は、認知症が進行するにつれてますます顕著になり、日常生活における移動に影響を及ぼす可能性があります。
参照元:National Library of Medicine
②歩幅が狭くなる
認知症の進行に伴う歩き方の変化には、歩幅が狭くなることも挙げられます。
これは、筋力の低下やバランス能力の衰えが原因です。
歩幅が狭くなると歩行が小刻みになり、歩行速度がさらに低下する傾向にあります。
また、加齢と認知症の影響が相まって、足を前に出す力が減少すると、歩幅が不ぞろいになります。
歩幅がそろわなければ、歩行の安定性が損なわれ、転倒による怪我や事故につながるリスクが高まるため、注意しなければなりません。
③地面を擦るようになる
認知症が進行すると、“すり足”とよばれる歩き方が見られるようになります。
すり足とは、足が上がりにくくなり、地面を擦るように歩く状態のことです。
すり足で移動すると、段差や障害物に気づきにくくなるうえに、何もないところでも転倒するおそれがあります。
このような歩き方になるのは、脳の認知機能の低下だけでなく、足の筋力の衰えも関係しています。
地面を擦っている様子を確認した際は、適切な対策を講じることが重要です。
認知症により歩き方が変わるメカニズム
認知症を発症すると脳の神経細胞に影響を与え、神経系のコントロールが難しくなり、歩き方に変化が表れます。
“歩く”という行為には、注意力や空間認識能力など、複数の能力が不可欠です。
特に、歩くスピードは認知機能の変化と強い結びつきがあり、認知症を発症するときは、その予兆として歩行速度が低下していくとされています。
歩き方に変化が表れたときの対処法
ここまでで紹介したような症状が見られたときは、どのような対応をとったらよいのでしょうか。
ここからは、認知症の進行に伴い、歩き方に変化が表れたときの対処法を解説します。
①医師の診断を受ける
歩き方に変化が見られた場合、早めに医師の診断を受けることが重要です。
認知症は、早期発見が進行を遅らせる鍵となります。
先述した通り、歩行速度の低下やすり足などの症状が見られたら、認知症の進行を示しているかもしれません。
歩き方の変化はもちろん、それ以外にも認知症が疑われる症状が表れたときは、かかりつけ医や認知症の専門医へ相談しましょう。
また、これらの症状は認知症ではなく、甲状腺機能低下症や正常圧水頭症など、ほかの病気が原因である可能性も考えられます。
いずれも早期治療によって症状が改善されるケースがあるので、適切な治療を受けるためにも迅速な対応が必要です。
②転倒リスクへの対処
認知症が進行すると、歩き方の変化によって転んでしまうリスクが高まります。
バランス感覚や判断力の低下にくわえて、徘徊行動やせん妄といった症状が表れる場合もあり、これらが重なるとさらに転倒しやすくなります。
転倒を防ぐためには、住環境を整えることが大切です。
たとえば、手すりの設置や段差の解消、十分な明るさの確保などが有効です。
“動線上に物を置かない”“床にコードを引かない”といった配慮も欠かせません。
床が濡れやすい浴室には、滑り止めマットを敷くのもよいでしょう。
安全な住環境を整えると、認知症の方が自立して生活できるだけでなく、介護者の負担軽減にもつながります。
歩き方を変化させないためにできること
認知症の進行を抑え、歩き方を維持するためには、日常的な運動が効果的です。
特に、無理のないウォーキングは血行を促進し、脳のはたらきを活性化させることが研究で明らかになっています。
脳内には“アセチルコリン”という神経伝達物質があり、脳の血管を広げたり血液の流れを良くしたりする役割を担っています。
歩くことで神経が刺激されると、このアセチルコリンが増加し、海馬や大脳皮質の血流が改善されるのです。
ウォーキングの際は、背筋を伸ばし、歩幅が狭くならないように心がけましょう。
1回あたり20〜30分のウォーキングを、無理なく会話できる程度の速度で、週3回以上行うのが目安となります。
また、生活のなかで歩くことを習慣づけるのも重要です。
意識して階段を使ったり、買い物の際に少し遠回りしたりと、日常生活のなかで歩行の機会を増やすことが認知機能の維持に役立ちます。
これらの取り組みにより、歩き方の変化を防ぎ、健康的な生活を続けられます。
参照元:東京都健康長寿医療センター研究所
認知症の進行に伴い歩き方に変化が見られたら、転倒リスクを避けるために適切な対処を
本記事では、認知症の進行に伴う歩き方の変化を解説しました。
認知症が進行すると、歩行速度が低下したり歩幅が狭くなったりと、歩き方に明らかな変化が見られます。
認知症治療は早期発見が重要なため、歩き方の変化をはじめ、疑わしい様子がうかがえたら、すぐにかかりつけ医に相談してください。
また、歩き方が変わると転倒するリスクが高まるため、安全な住環境を整えましょう。
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① 治療方法 治療薬を鼻腔内に1滴ずつ垂らし、迅速に脳内に薬を届ける治療法です。 痛みはなく、仰向けの状態で30分程度の治療時間を要します。 治療回数は1クールで4回、治療期間の目安は約1ヶ月間となっております。 ② 副作用リスク ・アレルギー反応などを伴う場合がございます。 ③ 連絡先 ④ 費用 ⑤ 入手経路 ⑥ 効能に関する国内の承認機器・薬剤の有無 ⑦ 安全性に関する諸外国の情報 ⑧ 未承認である旨 ⑨ 未承認薬・機器 |