膝の痛みがあるときに考えられる主な原因は?治療法も紹介
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膝の痛みは年齢とともに多くの方が抱えることとなる問題ですが、適切な治療を行えば軽減、もしくは根治できます。
とはいえ治療するにあたって、まずは痛みの原因を特定しなければなりません。
そこで本記事では、膝の痛みの主な原因となる疾患と、その治療法をご紹介します。
「ストレスなく階段を昇り降りしたい」「日課の散歩を続けていきたい」とお考えの方は、ぜひご一読ください。
膝の痛みがあるときに考えられる主な原因
膝の痛みは、さまざまな疾患が原因となって引き起こされます。
ここでは、代表的な3つの疾患とその特徴をご紹介しますので、ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
①変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝の軟骨が擦り減ることによって骨同士がぶつかり、変形してしまう疾患です。
主な原因としては加齢のほか、過度な体重の増加やスポーツによる外傷などが挙げられます。
発症する方の8割ほどが女性で、数年かけてゆっくり進行していくのが特徴です。
階段の昇り降りや正座が次第に困難となり、末期になると安静時でも膝がひどく痛むようになります。
この疾患の厄介なところは、一度擦り減った軟骨は自然には治らないという点です。
改善するには手術療法しかないため、それ以外の選択肢がとれなくなる前に、症状の進行を少しでも遅らせることが何よりも大切です。
後述する運動療法や薬物療法をうまく取り入れて、膝の痛みを軽減させましょう。
②関節性リウマチ
痛みとともに膝関節の腫れが長く続く場合、関節性リウマチの可能性が考えられます。
関節性リウマチとは、関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、こわばりといった症状が表れる疾患のことです。
免疫の異常によって引き起こされるといわれていますが、詳しい原因は明らかになっていません。
初期症状として表れるのが、膝関節が熱を帯びるような感覚や、こわばりなどです。
このとき、全身の倦怠感や足のしびれが同時にみられることもあります。
時間が経つにつれて、痛みや腫れも目立つようになり、最終的には日常生活に支障をきたすようになります。
③半月板損傷
「膝を曲げ伸ばしすると変な音が聞こえる」「歩いていると膝関節が引っかかるような感覚がある」といった症状に心当たりがある方は、半月板損傷の疑いがあります。
半月板損傷は、その名の通り“半月板”とよばれる、膝関節の軟骨組織が傷ついている状態です。
半月板は膝関節におけるクッションのような役割を果たしており、これが損傷すれば関節の安定性が失われるだけでなく、周囲の筋収縮を引き起こします。
不安定な関節を守ろうと筋肉が異常に収縮し、痛みが生じるというわけです。
さらに、半月板損傷を放っておくと、変形性膝関節症が併発するリスクも生じます。
なお半月板損傷の原因としては、加齢のほか、肥満やスポーツに伴う外傷なども挙げられます。
つまり、高齢者だけでなく若年層でも発症しうるということです。
膝の痛みの原因は自分で判断しないほうがよい?
前項で膝の痛みが生じる3つの原因をご紹介しましたが、ご自身の症状が何に起因しているのかは、専門家でないと特定できません。
自己判断で間違ったケアを続けると、症状が悪化するだけでなく、ほかの疾患を誘発してしまうおそれもあります。
また、痛みがそれほど大きくないからといって放置していると、取り返しのつかない事態に陥るかもしれません。
重症になると施せる治療も限られてしまうため、膝に少しでも痛みや違和感を覚えたら、すぐに医療機関を受診してください。
膝に痛みがあるときの主な治療法
膝の痛みは以下の方法で緩和させることができ、治療法次第では根本的な改善も可能です。
ご自宅で簡単に行えるセルフケアもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
なお、痛みの原因や症状の進行度合いによっても適切な治療法は異なるため、治療方針については医師の判断に従いましょう。
膝のトレーニング
日常生活に取り入れられるような簡単なトレーニングでも、軽い膝の痛みを緩和させるのには効果的です。
あくまでも症状の進行を遅らせる手段に過ぎませんが、後述するほかの治療法と併用すれば、より長く痛みを和らげる効果を維持できます。
膝に疾患があると、どうしても痛みを嫌って運動量が減ってしまうものです。
しかし足を動かす頻度が少なくなれば、徐々に膝周りの筋肉が衰えていき、ますます負担が増えるという悪循環に陥ります。
膝の痛みが少ないうちに運動習慣を身につけられれば、症状の悪化を防ぐことができるでしょう。
このようなトレーニングは一般的に、“運動療法”ともよばれます。
具体的な方法は、以下の通りです。
膝のトレーニングの手順
- 椅子に腰かけ、片足を4秒数えながらゆっくりと伸ばしていく
- 伸ばした足が床と水平になったら、つま先を前後に3回動かす
- 4秒かけて足をもとの位置に戻す
- もう片方の足でも同じ動作を行う
- 1.~4.を10回程度繰り返す
このトレーニングは、膝関節をスムーズに動かす練習になります。
両足で10回ずつ行うことができれば理想的ですが、動作がつらいときは回数を減らしても問題ありません。
無理のない範囲で継続しましょう。
薬物療法(内服薬)
足のトレーニングであまり効果を得られなかった場合には、次の選択肢として、内服薬による“薬物療法”が候補に挙がります。
たとえば、以下のような内服薬が用いられます。
膝の痛みを軽減できる内服薬の例
- 非ステロイド性抗炎症薬
- アセトアミノフェン
- COX-2阻害剤
- オピオイド鎮痛剤
- デュロキセチン
内服薬は、手術を施さずに患部の痛みを和らげることができる薬です。
さまざまな疾患の初期~中期に処方される薬で、運動療法と比べて迅速に効果を実感できます。
ただし、内服薬には多くのメリットがある反面、いくつか知っておくべき注意点も存在します。
真っ先に挙げられるのは、吐き気やめまい、消化不良といった副作用のリスクが伴うという点です。
「効果をあまり感じられないから」と、規定量以上の内服薬を服用するのは控えましょう。
また、内服薬は長期間服用していると耐性ができて、効果を感じにくくなる可能性があります。
そのため痛みが軽くなったら服用を一時的に中断して、運動療法に切り替えるといったように、両者を併用するケースも珍しくありません。
関節内注射
関節内注射とは、膝の関節液にヒアルロン酸を注入する薬物療法のことです。
ヒアルロン酸は、膝を含む体のいたるところに存在する、非常に高い保水力をもった物質です。
膝の関節液にも含まれており、膝をスムーズに動かせるようになるだけでなく、衝撃を吸収する作用もあります。
しかし、体内のヒアルロン酸は加齢に伴って徐々に失われていき、潤滑油やクッションとしての役割を十分に果たせなくなります。
結果、膝関節にかかる負担が増えて、痛みを引き起こすというわけです。
このような場合に、関節内注射によってヒアルロン酸を補うことで、関節内のコンディションを安定化できます。
もともと体内にある物質を補充するだけなので、副作用や拒否反応のリスクも極めて少ないといえます。
とはいえ注射である以上、感染症にかかる可能性がある点にはご留意ください。
人工膝関節置換術
歩くのが困難になるほどの膝の痛みには、人工膝関節置換術(じんこうひざかんせつちかんじゅつ)が適しています。
人工膝関節置換術は手術療法の一種で、膝関節をすべて人工膝関節と置き換える“全置換術”と、疾患のある部分のみを切除する“部分置換術” の2種類があります。
どちらの方法で治療するのかについては、以下の基準を参考になさってください。
全置換術を行う目安
- 膝をしっかり伸ばすことが困難である
- 重度のO脚やX脚、関節リウマチがみられる
- 膝全体に痛みがある
- 膝の靭帯の損傷がみられる
- 高度の肥満である
上記に当てはまらない場合は、部分置換術を勧められる可能性が高いでしょう。
いずれの方法でも、これまでにご紹介してきた治療法とは異なり、膝の痛みを根本から改善させることが可能です。
ただし、人工膝関節置換術は膝にメスを入れる、身体への負担が大きい治療法です。
さらに人工膝関節には血流がないため、細菌に対する抵抗力が少なく、感染症のリスクも伴います。
膝の痛みを根本的に取り除くことができる反面、このようなデメリットがあるということはご認識ください。
幹細胞治療
身体への負担が大きい、人工膝関節置換術をはじめとする手術療法に抵抗がある方には、幹細胞治療がおすすめです。
幹細胞治療の最大の特徴は、施術時の身体への負担が少ないという点です。
施術の際は、ご自身の腹部の皮膚を切開し、そこから採取した脂肪細胞をもとに培養された幹細胞を用います。
「切開」と聞くと大がかりに思われるかもしれませんが、実際に切り取るのは、おへそのなかの1cmにも満たないごく僅かな範囲です。
そのため、人工膝関節置換術に比べると施術の時間も短く、目立つ手術痕が残る心配もありません。
幹細胞治療は比較的新しい治療法であるため、受けられる医療施設は限られていますが、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
膝の痛みはさまざまな疾患に起因するため、クリニックで原因を特定して適切な治療を受けることが大切
今回は、膝の痛みを引き起こす主な疾患と、その治療法を解説しました。
膝の痛みには、変形性膝関節症や関節リウマチなど、さまざまな原因が考えられます。
疾患や症状の進行度合いによっても治療法は異なるため、まずはクリニックで痛みの原因を特定し、最適な治療を受けましょう。
運動療法や内服薬での治療が難しいと判断されれば、人工膝関節置換術をはじめとする手術療法を勧められる場合もあります。
とはいえ、「手術には少し抵抗がある……」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、幹細胞治療です。
施術時の身体への負担を最小限に抑えた幹細胞治療で、皆様の健康をサポートいたします。