認知症の予防に効果的な脳トレとは?習慣化するコツも紹介
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年齢を重ねて「最近、物忘れが多くなってきた」と、お悩みの方は少なくないのではないでしょうか。
認知症という将来への漠然とした不安を抱えている方も、いらっしゃるかもしれません。
そんなときは、認知機能を維持するための、“脳トレ”がおすすめです。
この記事では、認知症の予防に効果的な脳トレを、習慣化するコツとともにご紹介いたします。
認知症に対して懸念を抱いている方は、ぜひ参考にしてみてください。
脳トレが認知機能の改善に効果的な理由
脳トレが認知機能の向上に効果があるとされているのは、脳を刺激し、脳内の血流の活性化を図れるためです。
人の脳は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉の4つの部位に分かれています。
このうち、前頭葉の中にある“前頭前野”という部分が、思考や記憶、感情といった、人間にとっての重要なはたらきを担っています。
前頭前野が衰えると、物忘れが増えたり感情的になったりと、これまでコントロールできていたものが制御できなくなってしまうのです。
そこで、クイズやパズル、計算問題などを用いて脳トレに取り組むことで、前頭前野を意識的にはたらかせて、認知機能の低下を抑制します。
また、ほかの人と一緒に脳トレをすると、コミュニケーションの機会が増えますし、集中して問題を解いている時間が脳のリフレッシュにもつながります。
事前に押さえておきたい人間の認知機能
ここでは、人間の主な認知機能を5つお伝えします。
低下しつつある認知機能を認識し、そこにアプローチできる適切な脳トレを行うために、きちんと理解しておきましょう。
記憶力
記憶力は、物事を覚えておくために必要な能力です。
記憶には、情報を取り込む“記銘”、その記憶を残しておく“保持”、必要に応じて思い出す“想起”という3つのステップがあります。
加齢に伴う多少の衰えであれば、単なる物忘れといえますが、生活面に影響が出るレベルの衰えは認知症だといえます。
判断力
認知機能における判断力とは、日常生活で起こるさまざまな状況に対して、正しく判断できるかどうかという意味を示します。
判断力が低下すると、日時や場所を認識する“見当識”や、物事に集中する“注意力”、物の形などを把握する“空間認識”に支障をきたします。
結果、自宅の場所がわからなくなったり、天気や気温に適した服装を選べなくなったりといった状態になるのです。
言語能力
ご自身の言葉で気持ちを伝えたり、相手が話していることを理解したりするのに必要な機能が、言語能力です。
言語能力が衰えると、書いてある言葉や、相手が話している内容を理解するのに時間がかかります。
症状が進行すると、文字が書けず話も理解できない、“失語”の状態に陥ってしまうケースがあります。
遂行力
遂行力は、目的を成し遂げる能力です。
難しい能力に見えるかもしれませんが、認知症を患っていない場合は、日常生活のなかで自然と行えているものです。
たとえば料理を作るときの、食材を準備して適当な大きさに切ってから、炒めるといった工程のように、順序立てて何かに取り組む際に、遂行力が使われています。
これまで問題なくできていた料理の手順がわからなくなったり、自発的な行動がとれなくなったりすると、遂行力が低下しているサインといえます。
計算力
認知機能としての計算力とは、算数のような基本的な計算力を含め、予算を考慮して商品を購入することや、時間配分を考えて行動するといった意味を表します。
計算力が衰えると、買い物の際に商品の値段に対していくら支払えばよいのかが判断できず、細かいお金を出せなくなり、1万円札を使う機会が増える傾向にあります。
周囲と楽しんでできる脳トレ
ここからは、ご家族や周りの方々と一緒に楽しめる脳トレをいくつかご紹介します。
脳トレを行うとき、鍛えたい認知機能を意識して問題を解くのはもちろんですが、何よりも楽しんで取り組むことが重要です。
周囲の方とコミュニケーションをとりながら、脳の活性化を図りましょう。
それでは、一つずつご説明していきます。
漢字クイズ
漢字クイズでは、動物や植物などを表す難しい漢字の読み方を考えたり、バラバラに分解された漢字を組み立てて熟語を完成させたりする問題にチャレンジします。
ほかにも、イラストを漢字に変換する問題や、百人一首、俳句を使った問題など、さまざまな楽しみ方ができます。
早口言葉
脳トレで取り組む早口言葉では、活舌よく口を動かして発声することが目的とされています。
早口言葉というと、発音しにくい言葉を、いかに速く正確に言えるかを楽しむゲームをイメージするかもしれませんが、この脳トレでは、スピードは重視していません。
そのため、早口言葉が苦手な方でも安心して取り組めますし、和やかな雰囲気で楽しめるでしょう。
慣れてきたら、徐々にスピードを上げて挑戦してみても、もちろん問題ありません。
継続的に続けていくと、口腔機能の向上、さらには誤嚥防止の効果も期待できるトレーニングです。
都道府県当てゲーム
都道府県当てゲームは、出題者が示した特徴やヒントから、どこの都道府県かを導き出す脳トレです。
その地の有名な観光スポットや特産物などの与えられた情報を頼りに、より少ないヒントで答えられた者が、高得点となるルールです。
ご自身の記憶をたどりながら答えを探すので、頭の体操と同時に記憶力も養われます。
なぞなぞ
なぞなぞには、柔軟な思考力が求められ、集中力や記憶力を鍛えられる効果があります。
また、普段とは違った脳の使い方をするので、頭の回転が速くなり、想像力の向上も期待できるほか、解けたときの充実感や満足感がストレス解消にもつながります。
間違い探し
集中力や記憶力、注意力を高められるのが間違い探しです。
間違い探しには、2つの同じ絵のなかから間違いを探し出すタイプと、正しい絵を見たあとに、もう1枚の絵を見て違いを見つけるタイプの、2種類があります。
見比べて間違いを探したり、1枚の絵を記憶したりなど、種類ごとの楽しみ方で取り組めるのが特徴です。
色塗りパズル
色塗りパズルとは、絵に割り振られた数字に、指定された色を塗っていく脳トレです。
塗り進めていくことで、徐々にどのような絵なのかが見えてくるため、楽しみながら作業を続けられます。
また、集中して数字を確認しながら、指定された色を塗っていく過程で、注意力向上の効果が期待できます。
計算問題
計算問題の脳トレでは、難易度の高いものではなく、簡単な足し算や引き算を解きます。
難しい問題に時間をかけるよりも、簡単な計算問題を繰り返し解くほうが、脳の活性化には効果的です。
問題の難易度にかかわらず、解けたときは達成感を味わえますので、楽しみながら取り組むことが大切です。
そろばん
昔ながらの計算器である、そろばんも脳トレに向いています。
ご高齢の方にとっては、慣れ親しんできた道具の一つかもしれません。
そろばんは、手指を動かしながら計算問題を解くため、脳にほどよい刺激を与えます。
また、実際、手元にそろばんがなくとも、計算している手指の動きを頭に思い浮かべるだけで、十分な脳のトレーニングになります。
ご自身のレベルに合わせて、初級、中級、上級と、レベルアップを目指してもよいでしょう。
仲間はずれ探し
仲間はずれ探しは、3つ以上のキーワードや絵のなかから、一つだけ条件が一致していないものを探し出すゲームです。
ただし、見方によっては答えが一つとは限りません。
出題者が想定していた正解ではなかったとしても、隠れた仲間はずれが見つかる可能性がありますので、柔軟な思考でぜひチャレンジしてみてください。
しりとり
一般的な、言葉の最後の文字をとってつなげるしりとりでも十分なトレーニングになりますが、ここでは少し方法を変えてみるのをおすすめします。
たとえば、あらかじめ最後の言葉を決めておいたしりとりや、絵だけでつなげる絵しりとりでは、より脳の活性化につながります。
複数人で行う場合は、言葉に詰まる方がいても、焦ってしまわないように周囲の皆さんで声をかけながら楽しみましょう。
医療機関や介護施設で行われている脳トレ
医療機関や介護施設では、日常生活のなかに脳トレを取り入れています。
本や新聞を音読したり歌を歌ったりすることで、記憶力や注意力、遂行力を鍛え、日記を書いたり新聞記事を書き写したりして、見当識を養っています。
脳トレには波及効果がありますので、目的としていた機能以外にも好影響を与え、包括的な脳の活性化が期待できるのです。
このように、生活のなかに取り入れて毎日継続して続けていけば、認知症の予防になります。
日常生活でできる脳トレ
脳トレは、ゲームソフトや専門書を用意しなくても、日常生活のなかで手軽に行えます。
なかでも身近なのは、買い物の際に合計金額を暗算することです。
これは、記憶力や計算力の脳トレになります。
ほかにも、オセロや将棋といったボードゲームは、判断力や注意力の向上に適しており、対戦相手との対話を通して、社会的行動能力や言語力といった機能への刺激にもなります。
何気ない日常生活のなかに、脳トレとして活用できるものが多くありますので、ぜひ意識して取り組んでみてください。
脳トレを実施するうえで留意すること
脳トレを実施するうえで留意しておきたいポイントは、頻度、難易度、自信の3つです。
トレーニングを始めるときは、まず短時間で終えるものから取り組むのがコツです。
年齢を重ねると、疲労を感じやすく、長い時間同じ作業を続けるのが困難な方もいらっしゃるかもしれません。
そのため、最初は数分で終わるトレーニングから始め、徐々に時間を延ばしたり頻度を増やしたりして、少しずつ習慣化させましょう。
また、難易度の設定にも注意が必要です。
あまりに難しい問題だと、達成感や満足感を味わえず、脳トレに対する意欲が低下してしまう可能性があります。
最初は簡単な問題からスタートして、ご自身のペースで徐々にレベルアップを目指してみてください。
難易度の設定に通ずる点として、脳トレを行ううえでは、自信を失わないことが重要です。
前までは問題なくできていた行動に時間を要してしまったり、ささいな出来事が思い出せなかったりするのは、加齢に伴う生理現象の一つです。
そのため、脳トレを実施した際に、思ったように問題が解けなくても「こんな問題もわからないんだ」と自信を喪失する必要はありません。
ご自身に合った適切なレベルの問題を選び、ほどよい達成感を覚えながら、楽しむことが大切なのです。
認知症は、早期発見、早期対応が肝要です。
脳トレを早期から継続的に行ったうえで、認知機能の変化を捉えていきたいものですね。
脳トレを習慣化させるコツ
脳トレを習慣化させるには、以下の3つを押さえましょう。
脳トレを習慣化させるためのポイント
- 興味や関心のあるトレーニングを行うこと
- 適切な難易度で行うこと
- 集中できる環境を整えること
脳トレを習慣化させるには、ご自身が興味のあるトレーニングから始めることをおすすめします。
また、難しすぎる問題は、かえってストレスを感じて習慣化から遠ざかってしまいますので、適度な負荷で、解けたときの達成感を味わえるレベルの問題を選定するとよいです。
さらに、ご自身がもっとも集中できる時間帯や環境で実施すると、より有意義な時間となります。
興味のあるトレーニングを、適切な難易度で集中して楽しむことが、脳トレを習慣化させるコツなのです。
楽しみながら習慣的に脳トレを行い、認知症を予防しましょう
今回は、認知症の予防に効果的な脳トレを、習慣化するコツとともにご紹介しました。
脳トレは、早期から継続的に行うことが肝要です。
最初は興味のあるトレーニングから始めても問題ありませんので、適度な難易度で、楽しみながら習慣的に実施していきましょう。
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