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変形性膝関節症の手術によるリスクについて解説

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変形性膝関節症を効果的に治療するためには、手術が必要となるケースがあります。

しかし、手術と聞いて「失敗したらどうしよう」「重いリスクがあるのではないか」と不安になってしまう方も多いでしょう。

 

そこで今回は、変形性膝関節症の手術によるリスクがどの程度なのかを解説していきます。

膝の痛みに悩んでいて、今まさに手術を受けようか検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

変形性膝関節症の手術のリスクとは?

基本的にどのような手術であっても、リスクがまったくない、ということはありえません。

 

変形性膝関節症も同様で、万全の体制で手術を実施したとしても、トラブルが発生する可能性が常に一定確率は伴います。

人工関節に置き換えるような手術では、傷口からの感染や、血管の損傷といった合併症も生じるかもしれません。

 

もちろん、医師側も万全の準備のもと手術に臨んでいるので、上記のようなトラブルが発生することは非常に稀です。

過剰に恐れるのではなく正しくリスクを理解して、信頼できる医師のもと手術を受けることが大切です。

 

変形性膝関節症の手術に伴うリスク

変形性膝関節症の手術には、具体的にどのようなリスクが伴うのでしょうか?

 

ここからは、考えられる主要なリスク3つを解説いたします。

 

血栓が生じる

変形性膝関節症の手術では、血栓が生じてさまざまな症状を引き起こす可能性があります。

 

手術時の切開によって出血すると、人体の防御反応により血液が固まりやすくなります。

くわえて、手術中は下肢が長時間固定されており血流の悪い状態も続くため、上記の要因と合わさって血栓ができやすくなっているのです。

 

血栓は自然に消滅することもありますが、消えずに大きくなると静脈を塞いで、足のむくみやふくらはぎの痛みを誘引します。

また、血流によって血栓が肺に到達すると肺塞栓症を、脳に到達すると脳塞栓症を引き起こします。

これらは非常に珍しい症状ではありますが、発症すると命に関わる場合もあるため、決して甘く見てはなりません。

 

こうした血栓のリスクは、医師による手術前の処置のほか、患者様自身のリハビリテーションやこまめな水分補給によって予防できます。

 

感染症にかかる

手術の際、対象の部位に細菌が侵入して、感染症に罹患してしまうケースも存在します。

抗生物質の使用や、無菌状態での手術などで対策が講じられてはいるものの、それでも発症の確率をゼロにすることはできません。

 

感染症の原因となるのは、手術でできた傷口から入ってくる細菌のほか、虫歯や水虫など、もともと体内に存在していた細菌などです。

ですので、変形性膝関節症の手術の前には、虫歯や水虫などの治療を済ませておくことを推奨します。

 

また、手術直後は問題なかったにもかかわらず、数か月後に症状が表れる場合もあります。

これは、糖尿病やがんなど、別の病気が悪化したことに起因するもの以外に、基礎疾患がなくても何らかの感染症にかかった時にその病原体によって引き起こされるケースもあります。

変形性膝関節症の手術後は、ほかの持病の治療も含めて、体調を崩さないように心がけましょう。

 

人工関節が緩む

実施するのが人工膝関節置換術であるなら、置き換えた人工関節が緩むというのも考えられるリスクの一つです。

 

手術後は問題がなくとも、長年にわたる使用や、激しい運動による負荷などで人工関節は劣化し、次第に緩んでしまうものです。

緩んだ人工関節は安定性を損ない、最終的には歩行障害や痛みといった症状が出るようになります。

そうした状況に陥った場合は再手術が必要となるため、患者様に負担がかかるのは避けられません。

 

近年の人工関節は、現在考えられている耐用年数が15~20年ほどと長いため、このようなトラブルがすぐに生じることはありません。

ただし、なんらかの要因で人工関節の劣化が早まる可能性もあるので、耐用年数に達していなくとも、違和感を覚えた場合は早めに医師に相談することをおすすめします。

 

変形性膝関節症の手術の後に認められる症状

変形性膝関節症の手術では、成功したとしても、しばらくのあいだは気になる症状が出るものです。

その際に「手術が失敗したのかもしれない」と勘違いしないためにも、手術後にどのような症状が出るのかも把握しておきましょう。

 

痛みが続いている

特に人工関節への置換手術後には、一定期間痛みが続くことも珍しくありません。

個人差はあるものの、手術後2~3日ほどが痛みのピークで、以降長期間かけて徐々に軽減されていく傾向にあります。

 

手術後しばらく続く痛みの原因は、手術に伴う炎症や筋肉のはり、人工関節に置き換えたことによる身体への負荷などです。

痛み止めやアイシングなどで緩和できるほか、リハビリテーションでも改善が見込めます。

 

膝が腫れる

手術によって発生した炎症は、膝の腫れや違和感なども引き起こします。

 

手術後1~3か月、人によっては1年と長く続くように思えますが、痛みと同様に次第に解消されていくので、まずは様子を見ましょう。

ただし、膝に負担がかかっている状態が持続すると、炎症が長引き、腫れも収まらなくなります。

 

改善される傾向がみられない場合は、手術を担当した医師やリハビリテーションの担当者に相談してみてください。

また、運動後に腫れがひどくなったり、熱っぽさがあったりする場合は、アイシングで対処するのがおすすめです。

 

膝が曲がらない

人工関節は身体になじむまでにある程度の時間を要するため、その間は膝を思うように動かせないかもしれません。

先に紹介した、痛みや腫れなどの要因で動きが阻害される場合もあります。

 

膝を問題なく曲がる状態に戻したいのであれば、リハビリテーションを積極的に行うのがおすすめです。

最初はベッド上でもできる簡単なものから始めて、徐々に負荷を上げていけば、無理のない範囲で効果的に進められます。

少しずつ改善されていくはずなので、経過観察しながらリハビリテーションに励みましょう。

 

変形性膝関節症の手術を受けることが不安なときは?

手術以外に変形性膝関節症にアプローチできる方法としては、薬物療法が挙げられます。

しかし、薬物療法では痛みの軽減までしか叶わず、変形性膝関節症の根本的な治療はできません。

そもそも、薬物療法で効果が見込めない場合の手段が手術なので、代替にはならないのです。

 

しかし最近では、切開を伴う手術なしでも治療できる可能性がある、再生医療が登場しています。

再生医療を利用すれば、諸事情で手術を受けられない、あるいは受けたくない方でも、変形性膝関節症に効果的にアプローチできます。

 

再生医療で変形性膝関節症を治療するメリット

再生医療による治療には、主に以下の3つのメリットが期待できます。

それぞれ詳細に解説するので、再生医療を検討する際の参考としてください。

 

メリット①強い除痛が期待できる

変形性膝関節症の治療で挙げられるヒアルロン酸注射は、関節の潤滑性の向上や、関節内のコンディションを安定化することを目的として使われる治療法ですが、除痛効果は強力なものではありません。

しかし、幹細胞には組織をより安定化させるとともに、炎症を強く抑える能力があり、痛みの長期的な改善が期待できます。

 

メリット②副作用やアレルギーが生じる可能性が低い

十分な治療効果が見込めるだけではなく、施術後に副作用やアレルギーが出る可能性が低いのも、再生医療ならではの強みです。

 

再生医療では、患者様から採取した細胞や血液を利用して治療を行うため、強い副作用や拒絶反応が生じにくいとされています。

臓器移植のように、別途適性のあるドナーを探す必要もありません。

また、もともと体内にあったものを利用する関係上、アレルギー反応が出る可能性も少ないと考えられています。

 

特にご高齢の方は、手術後の副作用やアレルギーが大きなダメージとなりかねませんから、再生医療による治療を検討したいところです。

 

メリット③患者様の身体への負担が少ない

再生医療では大がかりな手術が必要になることも少ないため、患者様の身体に大きな負担がかかることもありません。

 

変形性膝関節症の治療で行われるような外科手術は、どうしても患者様に一定の負担を与えてしまうものです。

一方、再生医療で必要となる細胞の採取や採血などは、大きな手術や入院を必要とせず、成分の投与も点滴や注射で済むため大きな負担はかかりません。

体力の関係で外科手術を受けるのが難しい方でも、再生医療なら受けられる可能性があるわけです。

 

変形性膝関節症の手術にも他の手術同様、リスクはある!リスクを正しく理解することが大切

変形性膝関節症の手術には、わずかではありますが、様々なリスクが存在します。

しかし、これはほかのどのような手術にも同じことが言えるため、過剰に心配する必要はありません。

本記事の内容をもとに、起こりうるリスクをきちんと把握し、医師の説明を聞いたうえで手術を受けることが大切です。

 

「それでも手術を受けるのは避けたい……」とお考えの方におすすめなのが、再生医療です。

幹細胞を用いた再生医療によって、手術や人工関節への置換をせずとも、変形性膝関節症を治療することができます。

 

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