コラム

認知症になりやすい人の特徴にはどのようなものがある?

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今は元気なあなたも年齢を重ねていくうちに、認知症を自分事として捉えるようになるかもしれません。

認知症は誰でもかかる可能性がありますが、特に「発症しやすい人」がいることはご存じでしょうか。

 

そこで今回は、認知症になりやすい人の特徴を、今日から取り組める予防方法とともに紹介します。

認知症についての理解を深めたい方や、認知症を発症するリスクを減らしたい方は、ぜひご覧ください。

 

認知症とは

認知症とは、記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障をきたす病気です。

 

発症する原因は一つではなく、加齢や生活習慣の乱れ、事故による怪我など、さまざまな要因が絡んでいます。

こうした要因によって脳がダメージを受け、正常にはたらかなくなったり、細胞が死んでしまったりすることから、いままで通りの生活が送れなくなってしまうのです。

 

現在の医療において、認知症治療の多くは、あくまでも進行を抑制させるための方法に過ぎません。

だからこそ、早いうちから認知症の予防に取り組むことが大切です。

認知症は、日々の過ごし方を少し意識するだけで予防できます。

その詳細は後述しますので、参考にしていただけたら幸いです。

 

 

認知症になりやすい人の特徴

認知症になりやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか。

 

特徴①性格

 

以下のような性格の方は、認知症になりやすい傾向にあります。

 

認知症を発症しやすい人の性格

  • 些細なことを気にする
  • 怒りっぽい
  • すべて一人でこなそうとする

 

それでは、これらを一つずつ解説していきます。

 

些細なことを気にする

 

まず、些細なことを気にする人は、日々の生活のなかでストレスや不安を感じる場面が多いと考えられます。

細かいところまで気がつくからこそ、考えすぎたり人一倍疲れたりしてしまうのです。

 

ストレスを感じると、体内ではストレスホルモンとよばれる「コルチゾール」が分泌されます。

コルチゾールは、一時的なストレスを緩和する効果をもつものの、過剰に分泌されると血の巡りが滞りがちになり、体内に栄養や酸素を行き渡らせることが難しくなります。

脳の神経細胞に栄養や酸素が届かなくなると、感情や記憶をコントロールする「海馬」という部位が委縮し、認知症を発症してしまうというわけです。

 

また、ストレスが溜まると、他者と関わることが億劫になるかもしれません。

一人で過ごす時間が増えれば、そのぶん「人と話をする」「新しく発見する」といった機会が減るため、脳の老化が加速し認知症を引き起こすとされています。

 

怒りっぽい

 

怒りっぽい性格の人は、周囲と円滑にコミュニケーションをとることが困難になりがちです。

誰でも「すぐに怒鳴る人」や「攻撃的な言葉を口にする人」のことは、あまり好きになれませんよね。

それだけではなく、できるだけ距離を置きたいと思うかもしれません。

 

このようなきっかけから、一人で過ごす時間が増えると認知症のリスクがグッと高まることがわかっています。

これは、アメリカのボストン大学医学部の教授であるWendy Qiu氏らの研究によって明らかにされました。

Wendy Qiu氏らが実施した研究によると「持続的に孤独を感じる人は、そうでない人と比べて認知症を発症するリスクが1.9倍も高い」という結果が出ています。

 

怒りの感情ときちんと向き合えなければ、認知症を発症するリスクが高まるでしょう。

 

すべて一人でこなそうとする

 

すべてご自身でこなそうとする人も、認知症になりやすい性格といえます。

というのも、自己完結したい方は「周囲を頼りたくない」という思いにとらわれていると考えられるからです。

頑なに、周囲に相談したり助けを求めたりしないことが、人とコミュニケーションをとる機会を失わせる結果につながります。

 

ここまでお話ししてきた通り、脳の活性化には他者との関わりが不可欠です。

そのため、すべて一人でこなそうとするあまり、他者と協力する機会やつながりそのものがなくなると、認知症になる可能性が高まるのです。

 

特徴②生活習慣

 

続いて、認知症になりやすい人に見られる生活習慣を解説します。

以下のような生活を送っている場合は、できるところから見直していきましょう。

 

認知症になりやすい人に見られる生活習慣

  • 栄養バランスの良い食事がとれていない
  • 身体を動かす頻度が少ない
  • 睡眠時間を確保できていない
  • スマートフォンを手放せない
  • アルコールの摂取をやめられない

 

栄養バランスの良い食事がとれていない

 

食生活の乱れは、結果として認知症につながります。

 

心身ともに健康的に過ごすためには、栄養バランスの良い食事が欠かせません。

三大栄養素といわれる「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」に、ビタミンやミネラルを加えた食事が理想的です。

 

しかし、食事をとらなかったり同じものばかり食べていたりする状況が続けば、身体を動かすエネルギーが不足しますし、当然栄養バランスも崩れてしまいます。

たとえば、糖分や塩分の過剰摂取は、糖尿病や高血圧を引き起こします。

いわゆる「生活習慣病」です。

 

そうなると、認知症にかかるリスクもぐんと高まります。

なぜなら生活習慣病は、脳を含む全身の血管にダメージを与え、脳梗塞や脳卒中などの疾患を引き起こす可能性がある病気だからです。

認知症は脳がダメージを受けることで発症する病気なので、生活習慣病が直接的な原因になりえるというわけです。

 

身体を動かす頻度が少ない

 

運動不足になると脳に運ばれる血液の量が減り、認知機能に影響を及ぼすと考えられています。

それは、十分な血液が行き届かなくなることで、脳内の神経細胞が壊れてしまうからです。

 

脳内の神経細胞は自己再生する能力がないため、一度壊れたら元には戻りません。

特に、記憶を司る海馬や大脳皮質で血流の低下が見られれば、認知症のリスクが上がるといわれています。

 

また、運動しない期間が長くなるほど筋力が低下し、「少し動いただけで疲れる」「思うように動けない」などの症状が現れやすくなります。

これがトリガーとなり、外出したりひと汗かいたりすることに対して、不安や恐怖を覚えてしまうのです。

そして、だんだん家に引きこもる生活や横になる時間が増加し、心身ともに健康状態が悪くなって、脳が衰えるという負のループに陥るおそれがあります。

 

睡眠時間を確保できていない

 

睡眠がきちんととれていない場合は、アルツハイマー型認知症の原因である「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積されやすくなります。

 

通常アミロイドβは、脳内で分泌され、排出されるべき物質です。

脳内から排出されずに蓄積すると、アミロイドβが放つ毒素で健康な神経細胞が死滅し、次第に脳が委縮してしまいます。

 

そんなアミロイドβは、眠っているあいだに処理されます。

アミロイドβを完全に処理するためには、最低でも6時間半以上の睡眠が必要です。

ですから、短時間の睡眠や徹夜などを続けていると、アミロイドβがどんどん蓄積され、認知症を引き起こす可能性が高まります。

 

なお、加齢にともない、必要とする睡眠時間が短くなった場合は心配無用です。

これは、生命活動に関する機能が低下することで起こる自然な現象です。

年を取って睡眠時間が短くなったからといって、必ずしも認知症になるリスクが高まるわけではありません。

 

スマートフォンを手放せない

 

スマートフォンの使いすぎは、脳が疲労する原因となります。

スマートフォンは、今や生活を送るうえで欠かせないものの一つなので、お持ちの方も多いことでしょう。

仕事の連絡に使うだけではなく、知人とのチャットやSNSを楽しむなど、私たちの生活をより豊かにしてくれるツールですよね。

 

しかし、スマートフォンを頻繁に使用していると、そこから入ってきた膨大な量の情報を脳が処理できなくなり、パンク状態に陥ってしまいます。

つまり、脳の司令塔である前頭前野の機能が停止し、記憶力や集中力の低下、言語障害、めまいなどの症状を引き起こすおそれがあるということです。

 

これは「スマホ認知症」ともよばれ、20~50代の若い世代でも発症します。

若年性認知症を誘発することもあり、症状が顕著に現れるまでは自覚症状がないことも少なくありません。

 

私たちの生活において必要不可欠なスマートフォンですが、医療現場ではタバコやアルコールなどと同様に「依存性物質」と認められています。

スマホ依存が、結果として認知症を引き起こす原因ともなりますので、日々の使い方を見直すことが大切です。

 

アルコールの摂取をやめられない

 

アルコールを過剰摂取しつづけると、脳を委縮させ、認知機能が低下するおそれがあります。

 

体内に入ったアルコールは、ブドウ糖をエネルギーに変える「ビタミンB1」によって分解されます。

このビタミンB1は、脳の中枢神経の機能を正常に保つはたらきもあるため、心身の健康を維持するうえで欠かせない栄養素です。

 

しかし、大量のアルコールが体内に入ってくると、その処理に多くのビタミンB1が消費されます。

そうすると、脳内のビタミンB1も減少し、萎縮につながるのです。

 

また、お酒を飲むときは、塩気のあるおつまみを食べながら楽しむこともありますよね。

アルコールの過剰摂取にくわえて、塩分過多に陥った場合は、糖尿病や高血圧などを引き起こし、認知症にかかるリスクを高めます。

 

特徴③病気・怪我

 

病気にかかっている方は、健康な方よりも認知症になりやすい傾向にあります。

先ほどお話しした生活習慣病のほかに、認知症の原因となりうる病気の例を、以下にまとめました。

 

認知症を引き起こす可能性がある病気

  • 脳卒中
  • 難聴
  • 歯周病
  • 慢性肝炎
  • パーキンソン病
  • バセドウ病

 

こうして見ると、身近に潜んでいる病気も含まれていることがわかりますよね。

たとえば、歯茎が炎症を起こしたり顎の骨を溶かしたりする歯周病は、噛む力が弱まって脳に刺激を与えることが難しくなるため、認知症になりやすいといわれています。

 

このほか、頭部に怪我を負い、脳が損傷してしまった場合も認知症発症のリスクが高まるでしょう。

 

特徴④遺伝

 

遺伝が原因で認知症を発症する可能性は低いものの、まったく関係していないわけではありません。

数ある認知症のなかでも、アルツハイマー型認知症には、遺伝が関係する「家族性アルツハイマー型認知症」という種類があります。

親が家族性アルツハイマー型認知症である場合、その子どもが認知症を発症する確率は約50%といわれています。

 

しかし、アルツハイマー型認知症の患者は、遺伝と関係のない「孤発性アルツハイマー型認知症」であることがほとんどです。

全体の約90%がこれにあたりますので、遺伝による認知症の発症率は極めて低いことがわかりますが、可能性はゼロではないと覚えておいてくださいね。

 

認知症の予防方法

ここからは、認知症の予防方法を5つ紹介していきます。

年齢を重ねても健康でいるために、ぜひ積極的に取り組んでみてください。

 

ポイント①生活習慣を改善する

 

認知症を予防するうえで特に意識したいのが、生活習慣です。

ここまでお話ししてきた通り、生活習慣病は認知症を引き起こす直接的な原因です。

 

適切な「運動」「食事」「睡眠」は、生活を豊かに彩る大切な土台となります。

そのため、生活習慣が乱れている場合は、できるところから一つずつ改善していきましょう。

たとえば、意識的に動くようにするほか、配食サービスを利用して栄養バランスの良い食事をとるなどが挙げられます。

 

ポイント②人とのつながりを大切にする

 

日々の生活のなかで、友人や知人と会う機会を増やしたり地域の集まりに参加したりして、人とコミュニケーションをとる機会を失わないように意識してみてください。

人とのコミュニケーションは、脳に刺激を与えられる絶好のチャンスです。

ご自身の悩みを打ち明けられる相手ならば、ストレス解消にもつながるはずです。

 

なかには「大勢の人と話をするのが苦手……」という方もいらっしゃいますよね。

そういう方は、一緒にいて気が楽になる人を見つけて、関係性を保つことを心がけましょう。

特定の人とのコミュニケーションでも、認知症の予防には十分に効果が期待できます。

 

ポイント③ストレスを発散する

認知症をはじめとする、さまざまな病気にかかるリスクを減らすためにも、ストレスと上手につき合っていきましょう。

 

いろいろなことを経験する日々のなかで、ストレスのない生活を送るのは難しいものです。

そのため、ご自身にぴったりのストレス発散方法を見つけ、苦しくなる前に気分転換することが大切です。

 

ポイント④健康診断を受ける

 

定期的に健康診断を受け、ご自身の身体の状態を知っておくことも、認知症を予防するポイントの一つです。

健康に気をつけていても、認知症の原因となる病気にかかっている可能性があるかもしれません。

 

健康診断は、こうした病気の早期発見にも役立ちますから、定期的に受けるのがおすすめです。

 

ポイント⑤日々の行動をチェックする

 

日々の行動をチェックしておくことで、認知症の予防だけではなく、早期発見にもつながります。

「以前と比べて何かが違う」と違和感を覚えたときは、以下のようなサインが現れていないかを確認してみてください。

 

認知症を予防する日々のチェックポイント

  • 少し前の記憶が曖昧になる
  • 感情の起伏が激しくなる
  • 無気力になる
  • 集中できなくなる
  • 場所や時間がわからなくなる

 

このような行動が見られた際は、早めにかかりつけ医や専門のクリニックに相談しましょう。

 

脳が活性化しない生活は認知症になりやすい!健康的な生活を意識しよう

 

今回は、認知症になりやすい人の特徴を、予防方法とともに紹介しました。

 

認知症になりやすい人には、「性格」「生活習慣」「病気・怪我」「遺伝」の4つの面で特徴があります。

 

日々の生活のなかでは、脳に与える刺激や他者との関わりが減少しないように意識しておきたいところです。

また、認知症を予防するためには、生活習慣を見直したり定期的に健康診断を受けたりしましょう。

 

ルネクリニック(https://renee-clinic.jp/)は、患者様に生きる喜びをお届けする再生医療の専門クリニックです。

再生医療は、認知症のほか、動脈硬化症や変形性関節症などにも有効な治療法です。

認知症になりやすい病気にかかっている方や健康的な毎日を過ごしたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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