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認知症の方に言ってはいけない言葉とは?接し方について解説

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認知症の方と接するときに、気持ちが伝わらなかったり、話している内容がわからなかったりして、心ない言葉をかけてしまった経験をお持ちの方はいらっしゃるでしょう。

認知症の方を苦しめないためにも、適切な言葉づかいを心がける必要があります。

 

今回は、認知症の方に言ってはいけない言葉や、してはいけない対応をご紹介します。

この記事を読んで、適切なコミュニケーション方法を理解し、信頼関係を築いていきましょう。

 

認知症のメカニズム

 

認知症とは、認知機能が低下することにより、日常生活に支障をきたすようになった状態を指します。

認知機能が低下すると現れるのが、“中核症状(認知機能障害)”と“行動・心理症状(BPSD)”といった2種類の症状です。

 

中核症状は、脳の神経細胞のはたらきが低下することにより発生するもので、具体的な症状としては記憶力や判断力の低下が挙げられます。

対して、行動・心理症状は中核症状によって引き起こされる二次的な症状で、本人の性格や生活環境など複数の要因が絡み合うため、現れ方は人によって異なります。

例を挙げると、“怒りっぽくなる”、“トイレで失敗してしまう”、“道に迷ってしまい家に帰れなくなる”といった症状です。

 

こうした症状が現れることで、本人は自分自身の変化に対して大きな不安や苦しみを感じてしまいます。

大切なのは、認知症の方に不安や焦りを抱かせないように、普段から接し方を心がけることです。

そのためには、認知症のメカニズムを把握したうえで、認知症の方の言動をより詳しく理解するように努めなくてはいけません。

 

認知症の方のよくある言動

認知症の方の言動には、どのような特徴があるのでしょうか?

ここでは、具体的な特徴を説明いたします。

 

徘徊

 

徘徊とは、昼夜問わず、あてもなくうろうろ歩き回っている状態です。

認知症の症状である記憶障害や見当障害が原因で、道順を忘れてしまったり、自分のいる位置がわからなくなったりした結果引き起こされます。

しかし、周囲の人はそうした事情を知りえないので、認知症の方が見慣れた場所で道に迷ったときもその理由が理解されず、ただ徘徊しているのだとみなされてしまいます。

 

認知症の方の徘徊には理由があることを知ったうえで、徘徊のリスクを減らせるように対処していきましょう。

 

物忘れ

 

認知症の方は、自分の言動を記憶する能力が低下するため、同じことを何度も繰り返してしまいます。

たとえば、“以前に聞いた質問を繰り返し尋ねる”、“同じ話を何度も話す”といった具合です。

また、こうした言動の繰り返しには、記憶障害といった身体的な要因だけではなく、精神的な要因も関係しています。

不安が強いために、同じ言動を繰り返して自身を安心させるといった意味合いも含まれているのです。

 

このように、精神的な背景を知らないと、“認知症の方は物忘れの症状がある”という印象をもつのみに留まってしまいます。

徘徊と同じく、精神的な理由も考慮したうえで、寄り添う対応が必要になります。

 

激昂

 

認知症には、ささいなことで怒る“易怒性(いどせい)・被刺激性の亢進(こうしん)”という症状があります。

感情抑制能力の低下によって、感情のコントロールが難しくなり、判断力の低下につながります。

結果、自分や周囲の状況をうまく把握できなくなり、不安やいらいらが増大してしまうのです。

症状が進行すると、“暴言を吐く”、“物を投げる”、“突然大声を出す”といった行動が見られるケースもあります。

 

それらの行動を目の当りにしたら、ショックを受けてしまうご家族や介護者の方もいらっしゃるでしょう。

しかし、そんなときはまず、自分の気持ちを落ち着かせて、冷静に話せるような状態に整えてください。

落ち着いたうえで、改めて認知症の方の話に共感し、寄り添うように接していきましょう。

 

妄想

 

認知症による妄想とは、認知症の方が、事実でないことを現実として信じ込む状態をいいます。

大切な物を盗まれたと主張する“物盗られ妄想”や、「自分は邪魔な存在だ」という思い込みから、見捨てられたと訴える“見捨てられ妄想”などが代表的な症状です。

 

どれだけ事実とは異なることでも、認知症の方にとって妄想の内容は現実です。

それを否定すると、現実を否定されたと感じて、認知症の方が不安や孤独感をより強く感じてしまいます。

ただし、妄想を肯定すると、さらに症状が進行してしまう可能性があるので、肯定も否定もせずに、ただ耳を傾けることが重要です。

 

認知症の方に言ってはいけない言葉

 

認知症の方とコミュニケーションを取る際に、“言ってはいけない言葉”があります。

以下にその言葉を紹介しますので、言ってしまわないように気をつけましょう。


否定・責める言葉

 

まず覚えておきたいのが、「ダメ!」「違う!」といった否定する言葉です。

認知症の方が、周囲の理解しがたい行動を取った場合でも、本人にとっては合理的な理由が存在するというケースがよくあります。

そこで、行動に至る理由を理解しようともせずに、「間違っている」と否定的な言葉を投げかけてしまうと、認知症の方の不安や悲しみが増長されるばかりです。

 

たとえば、自分がまだ働いていると信じている方に対して、「違います。ずっと前に退職していますよね」と否定してはいけません。

まずは「どんなお仕事をされていたのですか?」と相手の話を聞いてあげて、寄り添う姿勢を見せることを心がけましょう。

 

また、「ちょっと!何しているのですか!」などと責めるニュアンスの言葉も言ってはいけません。

認知症の方の行動にはときに驚かされる場合もありますが、その際も責めるのではなく、本人に不安を与えないよう優しく対応することが大切です。

物をなくしてしまう症状が現れた場合は、「今後はここに置いてください!」と責めるのではなく、「一緒に探しましょう」と優しく声がけすることが重要です。

 

強制・急かす言葉

 

強制や急かす意味の言葉も、認知症の方を不安にさせてしまうため、言うのを避けてください。

たとえば、入浴するときに「入りたくない」と嫌がった場合、「いいからさっさと入ろう」といった強制する意味の言葉をかけるのは禁物です。

嫌がるのには「傷にしみるから嫌だ」「熱いのが苦手」といったふうに、本人なりの具体的な理由があります。

そこで理由を聞かずに強制した場合、仮に言ったことを聞いてくれたとしても、不信感が生まれてしまいます。

 

くわえて、「早くして!」「いつまで○○しているの?」という急かす言葉もかけてはいけません。

認知症になると、それまで問題なくできていたことに時間がかかり、うまくできなくなるケースが多くみられます。

周囲が急かす言葉をかけることで、本人は時間がかかってもやり遂げようとしているのに自信を失い、前向きに取り組む意欲をなくしてしまうおそれがあります。

認知症になれば、動作に時間がかかってしまうのは仕方のないことです。

そのことを考慮し、気持ちに余裕をもって見守ってあげましょう。

 

認知症の方にしてはいけない対応

ここからは、認知症の方にしてはいけない対応をご紹介します。

言ってはいけない言葉とあわせて、把握しておきましょう。

 

口論・叱責する

 

認知症の方と接するときは、怒ったり叱ったりすることを極力避けなければいけません。

たとえ認知症の方が間違った行動を取っても、叱るのではなくまず話を聞くことが大切です。

 

また、叱らなくても、細かい指摘が積み重なると口論に発展するケースもあります。

認知症の方は、言語機能も低下し、口論になると言葉数が足りず言い返せないため、いらいらだけが募ってしまいます。

その結果、興奮して暴言や暴力に発展するケースも少なくありません。

無用な口論を避けるためにも、認知症の方が失敗した場合は、指摘はせずに優しくフォローすることを心がけましょう。

 

子ども扱いする

 

認知症が進み、動作に時間がかかるようになっても、認知症の方を子ども扱いすることはやめましょう。

子ども扱いは、大人としてのプライドを傷つけてしまう行為です。

ただでさえ、自分に自信を失い、不安と焦りを感じている認知症の方は、子ども扱いされることでますます自尊心を失ってしまいます。

そういった気持ちを考慮し、本人の自主性を尊重することが大切です。

 

行動を制限する

 

認知症の症状である“徘徊”の対処として、行動を制限してしまいがちですが、家、もしくは部屋に閉じ込めようとすることは、やってはいけない行為です。

外との接点をもつ機会が減ると、より一層孤独を感じるようになり、脳への刺激が減ってしまい、認知症の進行を早める可能性を高めます。

 

徘徊の対策としては、行動を制限する方法ではなく、以下のような対策を講じるのがおすすめです。

 

徘徊行動の対処法

  • 本人の行動パターンを把握する
  • 名前・連絡先などの情報を身につけてもらう
  • 位置情報がわかるGPS端末を利用する

 

このように、徘徊は工夫次第で対処できるので、認知症の進行を防ぐためにも、行動制限は行わず、上記のような対策を講じましょう。

 

認知症の方とのコミュニケーションのポイント

 

認知症の方とのコミュニケーションでは、否定的な言葉や対応を避けるほかに、心がけておくべきポイントがあります。

以下に、そのポイントをまとめたので参考にしてみてください。

 

表情・アイコンタクトに気をつける

 

認知症の方と話す際には、表情やアイコンタクトはとても重要です。

まず、認知症の方の真正面に座り、笑顔で相手の目を見ます。

そうすることで、「あなたをしっかりサポートしますよ」という気持ちが伝わり、安心感をもってもらうことができます。

 

本人のペースに合わせる

 

本人のペースに合わせると、認知症の方は心からリラックスでき、尊重されているという感情を抱きます。

反対に、急かす言葉をかけると、本人はペースが乱され、パニックに陥ってしまうことがあるので、注意が必要です。

とはいえ会話するときや、入浴時の着替えなどで、ゆっくりとした動作にもどかしさを感じることもあるでしょう。

しかし、そんなときこそ本人のペースに合わせた声かけや行動を取ってください。

 

目線を合わせる

 

目線を合わせることは、会話の際に誠実さを伝える効果があります。

 

認知症の方のなかには、車椅子に座っていたり、ベッドに横になっていたりする方もいらっしゃいます。

そうした方と会話する際、目線を同じ高さに合わせることで、“対等な関係である”と相手に伝えられるのです。

立って話すのが適切な場合以外では、必ず座るか身をかがめるなどして、目線を合わせて話すことを心がけてください。

 

ゆっくりわかりやすく伝える

 

話すときは、耳元で、ゆっくりと、大きな声で伝えることが重要です。

 

認知症の方は、老化によって聴力が衰えている可能性があります。

小さい声や、早口で話すと、内容が把握できずに混乱させてしまいがちです。

ゆっくりと話しかけることで、認知症の方が話を理解しやすくなり、リラックスした気分で会話ができます。

 

安心感を与える

 

安心感を与えるには、笑顔とスキンシップが大切です。

 

認知症の症状が進むと、上手に会話ができない場合があります。

このような状況では、言葉ではなく、身体的なコミュニケーションで安心を与える必要が出てきます。

笑顔は認知症の方に落ち着きと安心を与え、また軽いスキンシップは共感や愛情を伝え、その結果、不安や焦燥感の軽減につながるのです。

 

認知症の方を尊重し適切なコミュニケーションを図ろう

本記事では、認知症の方に言ってはいけない言葉や、してはいけない対応、コミュケーションのポイントを詳しく解説しました。

 

認知症の方を否定したり、行動を制限したりといった対応は、相手に不安感や焦燥感を与えてしまいます。

相手を尊重し、安心感を与えるコミュニケーションを取ることが、互いの信頼関係を築くことにつながります。

この記事を読んで、認知症の方の気持ちに寄り添った対応を心がけていただけると幸いです。

 

ルネクリニックでは、再生医療を通じて、認知症に悩む方や、そのご家族へ寄り添った治療を提供しております。

まずはカウンセリングで、皆様のお悩みをお聞かせください。

 

 

①     治療方法

治療薬を鼻腔内に1滴ずつ垂らし、迅速に脳内に薬を届ける治療法です。

痛みはなく、仰向けの状態で30分程度の治療時間を要します。

 

②     副作用リスク

・アレルギー反応などを伴う場合がございます。

・妊娠中や妊娠の可能性がある場合は安全のため施術を受けることができません。

・本療法は医療水準として未確立なものであり、効果の点で不確実性を伴います。

 

③     連絡先

ルネクリニック 東京都千代田区大手町1-1-3 大手センタービル14階

TEL:03-6810-2295

 

④     費用

本治療は保険適用のない自由診療となります。

297,000円(税込)※診断により変動する可能性があります。

 

⑤     入手経路

治療薬には、ドナースクリーニングを2回相当実施した日本人の乳歯歯髄・臍帯由来の幹細胞を、特定細胞加工物製造許可施設にて培養・製造したものを用いています。

 

⑥     効能に関する国内の承認機器・薬剤の有無

効能に関する国内の承認薬剤はありません。

 

⑦     安全性に関する諸外国の情報

安全性に関する諸外国の報告はありません。※想定できないリスクがある可能性があります。

 

⑧     未承認である旨

この治療で使用される薬剤は医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬です。

 

⑨     未承認薬・機器

未承認薬・機器には、公的救済制度(医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度)の適用はありません。

 

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