コラム

【藤宮峯子院長Vol.3】再生医療について

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ルネクリニック札幌院 院長 藤宮峯子より【再生医療について】コラムを配信致します。

 

私自身の研究では、アミロイドβが脳に溜まる事と、認知機能とは必ずしも相関しないという事が分かっています。

アミロイドβが溜まっていても認知症にならない人が多数おられるので、

アミロイドβ以外にアルツハイマー型認知症の原因があると考えています。

 

私が注目したのはアストロサイトというニューロンにまとわりつく細胞です。

この細胞自体は情報伝達には関与していないのですが、ニューロンのシナプス伝達を制御する働きがあります。

ニューロンの情報伝達は、ゼロイチのデジタル信号で伝わりますが、

アストロサイトはニューロンの信号を何%増減させると言ったアナログ的なコントロールをします。

アミロイドβが溜まっていても認知症にならない人は、このアストロサイトが極めて活性化しており、

アミロイドβが溜まっていない正常の脳よりも活性化している事がわかりました。

 

逆にアミロイドβが溜まって認知症になる人はアストロサイトを活性化出来ない人です。

アミロイドβの攻撃という有事に際して、平時には必要でなかったアストロサイトの活性化を起こして応戦できるか

有事になっても平時のままで応戦できないでいるかの違いです。

前者は認知症を発症しない人で、後者は認知症を発症する人です。

私の提供する再生医療は、有事の際のアストロサイトの活性化を医療として起こさせる事なのです。

コラム監修者

藤宮 峯子

藤宮 峯子 Mineko Fujimiya ルネクリニック東京院 院長

略歴

1981年滋賀医科大学医学部卒(1期生)、札幌医科大学名誉教授。
間葉系幹細胞の研究を20年以上にわたって行い、認知症と糖尿病合併症の再生医療を専門とする。

主な著書

「生命の海」と「人間蘇生の医学」』(デザインエッグ社)

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