コラム

【藤宮峯子院長Vol.6】能動性と意思の力

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ルネクリニック札幌院 院長 藤宮峯子より【能動性と意思の力コラムを配信致します。

 

医科大学で解剖学の講義をしていた時に、「物理学や数学には法則がありますが、生物学には法則はあるのですか?」と問われたことがあります。

医学部に入学する学生は物理・化学を選択して受験する学生が多く、

生物学や医学も何かの公式に当てはめたいと考えるようです。

私は、この問いに対して「生命現象はある面では法則があると言えるし、別の面では法則はないと言えます」と答えていました。

 

生命の法則とは、地球上に存在する生命体は、

地球の自転と公転のリズムに合わせて生命活動を営なむと言う点です。

我々の体で言えば、睡眠のリズム、月経のサイクル、ホルモン分泌など、

宇宙のリズムに対応した内なるリズム(生物時計)に合わせて体の機能が営まれています。

これを無視した生活をすると、体に不具合が起こり病気になるのです。

 

一方で、法則に当てはまらない生命の特徴とは、能動性と意思の力だと考えます。

生命が能動性と意思を持ったからこそ、変動する地球環境に適応して地球上に繁栄して来たといえます。

人類の祖先がアフリカに誕生してから、新しい土地を求めて世界中に拡散して行きました。

より良い環境を求めて、危険も顧みずに行動を起こす能動性と意思の力こそが、人類の繁栄をもたらしたと言えます。

勇気の一歩を踏み出したことで今までに経験したこともない障害に遭遇することでしょう。

しかし、障害があるからこそ知恵を絞り、そこから創意工夫が生まれ、結果として障害を乗り越えた個体のみが種族を増やし繁栄することが出来るのです。

私たちも、障害に見舞われたときは、自分が成長するチャンスだと考えて、勇気を持って乗り越えて行きたいものです。

コラム監修者

藤宮 峯子

藤宮 峯子 Mineko Fujimiya ルネクリニック東京院 院長

略歴

1981年滋賀医科大学医学部卒(1期生)、札幌医科大学名誉教授。
間葉系幹細胞の研究を20年以上にわたって行い、認知症と糖尿病合併症の再生医療を専門とする。

主な著書

「生命の海」と「人間蘇生の医学」』(デザインエッグ社)

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