コラム

【藤宮峯子院長Vol.7】西洋医学の落とし穴

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ルネクリニック札幌院 院長 藤宮峯子より【西洋医学の落とし穴コラムを配信致します。

 

西洋医学の特徴は、クロード・ベルナールが提唱した実験医学序説に法って、病気のメカニズムを実験的に証明しようとするものです。

解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理学、免疫学など基礎医学の研究室で行われる研究は全て実験医学です。

臓器の一部や構成成分を体の外に取り出し、組織をすりつぶしてタンパク質や遺伝子を抽出して病気の原因を調べたり、

薬品で組織を固定して静止画像として顕微鏡観察をするのです。

 

さらに結果の判断に、客観性と再現性が要求され、誰が何時やっても同じ結果を出さないことには科学的に証明したとはみなされないのです。

ここに西洋医学の落とし穴があるように思います。

臓器をバラバラにして調べる事で臓器間のつながりを見落としてしまい、

固定した組織では刻々と変化する生命現象を捉えることは不可能と言わざるを得ません。

生命活動は常に流動的で、同じ状態には決して留まっていないのです。

従って、実験結果に再現性を求める事自体に意味がなく、結局、西洋医学的方法では生命現象は捉えられないと考えます。

 

人体のダイナミックな流れを作るものは、血流、リンパ流、体液の流れ、脳脊髄液の流れなどで、

この流れに乗って血球やリンパ球、タンパク質、エクソソームなどが活発に細胞間や臓器間を巡り、細胞間の情報伝達を行なっています。

流れが止まるときは死ぬ時です。

つまり、流れこそが生命現象の本体であるという捉え方をしないと、本当の意味での病気の解明にはならないと思います。

しかし、生きたまま体液の流れや脳脊髄液の流れを観察するのは難しく、

私が挑戦したのは電子顕微鏡写真2万枚という膨大な数の顕微鏡写真を撮影し解析することです。

 

アニメのセル画のように、大量の静止画から生命のダイナミズムを読み取ることが出来ました。

特に注目したのは細胞から放出されるエクソソームで、これが体液や血流、脳脊髄液に乗って細胞間の情報伝達をしている事が見えてきました。

コラム監修者

藤宮 峯子

藤宮 峯子 Mineko Fujimiya ルネクリニック東京院 院長

略歴

1981年滋賀医科大学医学部卒(1期生)、札幌医科大学名誉教授。
間葉系幹細胞の研究を20年以上にわたって行い、認知症と糖尿病合併症の再生医療を専門とする。

主な著書

「生命の海」と「人間蘇生の医学」』(デザインエッグ社)

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