認知症を予防するために今日からできる対策を徹底解説
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日常生活でできる認知症予防のための行動があるということをご存じでしょうか。
本記事では、認知症の予防に向けて今日から取り組める対策を詳しく解説します。
認知症の知識を身につけたうえで、健やかな老後を送りたい方は、ぜひ参考になさってください。
認知症とは
認知症とは、脳の病気が原因で、記憶や判断力などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に何らかの支障をきたしている状態のことです。
なお、認知症は病気によって生じる症状(病態)の総称であり、病名ではありません。
原因となる代表的な病気には、以下の4種類があります。
認知症の原因となる主な病気
- アルツハイマー型認知症
- 脳血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
認知症は、自覚症状がないまま進行することが多く、「前兆」「初期」「中期」「末期」と段階が上がるごとに、さまざまな認知機能の低下を引き起こします。
関連記事:認知症にはどのような症状がある?治療法もあわせて解説
認知症の発症リスクが上昇する年齢
認知症の発症リスクは、加齢とともに高まるといわれています。
2022年に発表された厚生労働省の調査によると、65歳以上の認知症の有病率は、以下の表の通りです。
認知症の有病率
全体 | 男性 | 女性 | |
65~69歳 | 1.5% | 1.5% | 1.6% |
70~74歳 | 3.6% | 3.4% | 3.8% |
75~79歳 | 10.4% | 9.6% | 11.0% |
80~84歳 | 22.4% | 20.0% | 24.0% |
85~89歳 | 44.3% | 35.6% | 48.5% |
90歳以上 | 64.2% | 42.4% | 71.8% |
75~79歳では、前段階の70~74歳と比べると、有病率がおよそ3倍に跳ね上がっています。
さらにこのあと、80~84歳、85~89歳と有病率は倍々に増えていき、90歳以上の全体と女性の数値をみると、約3人に2人が認知症を発症しているとわかります。
このように、認知症の発症リスクは年齢を重ねるにつれて高まり、70代後半以降で急増するのは明白です。
参照:厚生労働省「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進②(参考資料)」
認知症の予防に向けて今日から取り組める対策
認知症の予防に取り組むと、発症を遅らせることや、発症しても進行を緩やかにすることにつながります。
ここからは、日常生活でできる5つの対策を解説していきます。
どの対策も始めるのは決して難しくありませんが、これまでの生活習慣を大きく変えるものも含んでいるかもしれません。
それだけに、続けていけるかどうかが鍵となります。
認知症予防に早すぎるということはないので、思い立ったら、取り組めそうな対策から少しずつ始めてみましょう。
食生活を見直す
食生活の見直しは、認知症予防に欠かせません。
食生活が乱れて、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症すると、アミロイドβというたんぱく質が分解されにくくなります。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβが分解されずに脳に蓄積することで発症するといわれているため、生活習慣病が結果的に認知症の発症リスクを高めてしまうのです。
アミロイドβの蓄積を防ぐには、栄養バランスのとれた食事を意識したうえで、DHA・EPAなどの不飽和脂肪酸を多く含む青魚を積極的に食べましょう。
またカフェインには、血液中の不要なたんぱく質を排出させる利尿作用があるので、コーヒーや緑茶もおすすめです。
運動習慣を身につける
適度な運動も、脳を刺激し認知機能の向上につながるため、認知症予防として取り組みたいところです。
運動する習慣があまりない場合、「激しいトレーニングが必要なのかな……」と思われるかもしれませんが、最初から激しいものである必要はありません。
まずは朝に15分だけ散歩したり、駅や職場で階段を使ったりするなど、できることから始めてみましょう。
身体への負担も考えつつ、無理のない範囲で運動を始めて継続することが大切です。
良質な睡眠をとる
十分な睡眠も、認知症予防につながる対策の一つです。
脳内に老廃物が溜まると、認知症の原因になるといわれています。
十分な睡眠をとると、脳内の不要な老廃物が排出され、認知症の予防効果が期待できます。
しかし、ただ寝ればよいというわけではなく、良質な睡眠をとることが重要です。
睡眠の質を上げるには、スマートフォンやパソコンの就寝前の使用は控えましょう。
また、体内時計を整えるためにも、起床後は太陽の光を浴びて、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制することも大切です。
対人コミュニケーションを増やす
認知症予防には、積極的な対人コミュニケーションも不可欠です。
年齢を重ねると、以前よりも家から出るのが億劫に感じるかもしれません。
しかし、外出して人に会うためには、持ち物を準備して身なりを整えたり、集合時間に間に合うように逆算して家を出たりする必要があります。
こうした行動は、脳にさまざまな刺激を与えてくれるので、認知症予防になるというわけです。
家族・友人との食事やボランティア活動、趣味の集まりなど、何気ない外出であっても参加してみてください。
脳トレを始める
認知症を予防したいなら、脳力トレーニング、通称「脳トレ」にもチャレンジしてみませんか?
脳トレによって刺激を与えると、脳の血流の改善や、全体的な機能の向上につながり、認知症予防になると考えられています。
パズルやトランプゲームのほか、日記を書くことも、記憶力や集中力を高める効果があります。
脳と手先を同時に使うガーデニングや料理なども、脳トレの一環として取り組んでみましょう。
認知症予防のためにも、楽しく続けられる脳トレを見つけることをおすすめします。
認知症の発症リスクを上げてしまう生活習慣
認知症の発症には、普段の生活が関係しているといわれています。
そこでここからは、認知症の発症リスクを上げてしまう生活習慣を紹介していきます。
ご自身やご家族に当てはまるものがないか、今一度ご確認ください。
乱れた食生活
先ほどの「食生活を見直す」の裏返しですが、食生活が乱れると、認知症の発症リスクが上がるとされています。
時間がなくて忙しいからといって、菓子パンやファストフードばかり食べていませんか?
これらの食べ物には、マーガリンやショートニングが使用されており、脂肪酸の一種であるトランス脂肪酸が多く含まれています。
トランス脂肪酸を過剰摂取すると、悪玉コレステロールが増えるうえ、アミロイドβを体内に蓄積させてしまうおそれがあります。
また、飽和脂肪酸が含まれている脂身や背脂、ラードといった動物性の脂肪にも注意が必要です。
飽和脂肪酸も悪玉コレステロールを増加させることで、生活習慣病のリスクを高める原因となり、認知症の発症につながりかねないためです。
菓子パンやファストフード、肉の脂身を多く摂取するような食生活にはくれぐれも注意しましょう。
過度なアルコール摂取
アルコールの過剰摂取も、脳の萎縮につながるため、認知症の発症リスクを上げかねません。
脳の萎縮によって認知機能が低下するほか、脳梗塞や脳卒中などが原因で起こる脳血管性認知症のリスクを高めてしまう可能性があるからです。
「認知症を予防するためとはいえ、飲酒を控えるのはつらい……」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ビールなら1日あたり中瓶1本程度を目安とする、適度な飲酒であれば、基本的には健康を害することはないとされています。
認知症予防のためにも、飲酒する際は適量を心がけ、アルコールとうまく付き合っていきましょう。
運動不足
運動不足も、認知症の発症リスクを上げてしまう生活習慣の一つです。
適度な運動は、脳のなかでも記憶を司るとされている海馬の血流を増やし、記憶力の改善が期待できると考えられています。
逆に適度に運動しなければ、記憶力の低下など、脳に悪影響をもたらすこともあるとされています。
息が切れるほどの激しい運動である必要はないので、朝の散歩や積極的な階段の使用などから始め、足腰から脳への刺激を促すとよいでしょう。
社会活動や対人コミュニケーションの不足
社会活動や対人コミュニケーションが不足しても、認知症の発症リスクを上げてしまいます。
仕事や地域コミュニティへの参加といった社会活動や、家族・友人との交流を行う際は、マルチタスクをこなしたり、コミュニケーションをとったりする必要があります。
多くのことを考えれば、脳の機能が自ずと活性化されますが、この機会が減ることで、脳の機能の低下につながるというわけです。
就労期間の延長や、お住まいの地域の清掃活動への参加、家族・友人との定期的な食事など、社会のなかで役割を持ち、人と関わることは認知症の予防に欠かせません。
生活習慣を改善することが認知症予防への第一歩になる
本記事では、認知症の予防に向けて今日から取り組める対策を詳しく解説しました。
認知症の予防に取り組むと、発症を遅らせることができたり、発症しても進行を緩やかにできたりといった効果が期待できます。
食生活の見直しや適度な運動のほか、良質な睡眠や対人コミュニケーションに基づく、生活習慣の改善が重要になってきます。
これらはすぐに取り組めるものばかりですから、まずはできるものから始め、認知症予防のためにも習慣化しましょう。
ルネクリニックでは、再生医療による認知症の治療を提供しております。
認知症に悩む方やそのご家族に寄り添ってサポートいたしますので、予防に関することも含め、
ぜひ一度ご相談ください。
① 治療方法 治療薬を鼻腔内に1滴ずつ垂らし、迅速に脳内に薬を届ける治療法です。 痛みはなく、仰向けの状態で30分程度の治療時間を要します。 ② 副作用リスク ③ 連絡先 ④ 費用 ⑤ 入手経路 ⑥ 効能に関する国内の承認機器・薬剤の有無 ⑦ 安全性に関する諸外国の情報 ⑧ 未承認である旨 ⑨ 未承認薬・機器 |